AI学習著作権料は1冊656ドル、次は利用量精算へ
私の著書のAI学習利用料は1冊300〜656ドルでした。Apple、Microsoft、Perplexityが利用量ベースの支払いに移行する動きと、Spotifyや英国の公貸権制度が残した結果を整理しました。
ビジネス著書のAI学習利用料は1冊300〜656ドル
先日、私の元に少し奇妙な入金がありました。私が書いた本のAI学習向け著作権使用料で、1冊あたり300〜656ドルでした。現在のレートで最大90万ウォンほどです。出版社が仲介し、メンタット(Mentat)という米国の事業者を通じて販売されました。
数字を最初に見たときに浮かんだ考えは、「安い」でも「高い」でもありませんでした。これは一体何の対価なのか分からない、という感覚のほうが近かったのです。
そんななか、去る8月12日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道を目にしました。AppleがSiriを刷新するために報道各社と交渉中なのですが、その条件が見慣れないものでした。定額ではなく、コンテンツが実際に使われるたびに支払うというのです。
いま起きている変化は、創作物の価格が上がるか下がるかという問題ではありません。対価を決める基準が、本が学習データに入ったという事実から、その本が実際に何回参照されたかへと移行しつつあるのです。同じ転換を一足先に経験したのが音楽産業であり、その結果はすでに出ています。
これまでは本1冊単位で値付けされていました
656ドルがどのあたりの水準なのかを知るには、過去2年間に公開された価格表を並べてみる必要があります。
最も頻繁に引用される基準線は、ハーパーコリンズとマイクロソフトの契約です。2024年11月に公開され、条件はかなり具体的です。書籍1冊あたり5,000ドルで、著者と出版社が50対50で分配するため、著者の取り分は2,500ドルです。期間は3年で、モデルの出力が原文を200単語連続、あるいは本全体の5%を超えて再現できないよう制限が設けられました。著者が同意した場合にのみ含まれるオプトイン方式でもありました。
メディア側の数字は桁が違います。2024年5月にニューズ・コーポレーションがOpenAIと結んだ契約は、5年間で最大2億5,000万ドル規模と報じられました。企業間の定額契約です。
3つ目の基準線は、契約ではなく賠償です。Anthropicが著者らと結んだ15億ドルの和解は、2026年7月21日に最終承認を受けましたが、約50万件の作品に対して1作品あたり約3,000ドルの水準でした。通常の取引価格ではなく、無断利用に対して付けられた価格であるという点が重要です。
この3つと並べてみると、私の656ドルの立ち位置が見えてきます。著者の取り分同士で比較すると、ハーパーコリンズの事例の4分の1強、Anthropicの和解単価の5分の1程度です。
ここで即座に「韓国の著者は買い叩かれた」と結論づけたくなるかもしれませんが、そう捉えてしまうとかえって重要なことを見落とすと私は考えています。言語、ジャンル、分量、期間、独占か否かがすべて異なっており、単純比較は難しいからです。ハーパーコリンズの件は英語のノンフィクションで3年限定でしたし、私の場合は条件が異なります。
私が注目しているのは金額そのものよりも、3つとも同じ方式で値付けされているという点です。1冊あたりいくら、1作品あたりいくら。つまり、その本が学習データセットに含まれたという事実だけで金額が決まります。後からその本がどれほど引用されようと、一度も参照されなかろうと、金額は同じです。
この方式は創作者にとってかなり有利です。受け取れる対価をあらかじめ予測できるからです。